丸亀製麺のない県は実在する?全47都道府県の出店真相と丸亀市の謎
全国のロードサイドや大型商業施設で見かけない日はないほど、国民的うどんチェーンとして定着した「丸亀製麺」。職人が粉から打つ本格的な讃岐うどんを日常的な価格で楽しめるとあって、国内外で絶大な支持を集めています。しかし、インターネットの検索窓には今なお「丸亀製麺 ない県」というキーワードが浮上し、SNSでも「うちの県から消えたのでは?」「本場・香川県には1軒もないらしい」といった真偽不明の噂が後を絶ちません。
外食チェーンの出店網は、採算性や物流網の再編によって刻一刻と変化しています。2026年現在、本当に丸亀製麺が存在しない都道府県はあるのか。本稿では、運営元であるトリドールホールディングスの公式データや現地取材の記録をもとに、全都道府県の出店真相や「うどん県」香川・丸亀市との知られざる関係性を徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2026年現在も「丸亀製麺のない県」は存在せず、47都道府県すべてに出店を継続している。
- 要点2:香川県内には複数店舗があるものの、店名に冠された「香川県丸亀市」には店舗が存在しない。
- 要点3:一部地域での撤退や店舗密度の偏り、戦略的なスクラップ&ビルドが「ない」という誤解を生んでいる。
【2026年現在】丸亀製麺のない県は実在するのか?全都道府県の出店状況
結論から明確にすると、2026年現在、日本国内に「丸亀製麺のない県」は存在しません。全国47都道府県のすべてに直営店舗が展開されています。
かつて大手ファストフードや牛丼チェーン、カフェチェーンなどが「全都道府県制覇」を巡って話題を集めた時代がありました。丸亀製麺を手がけるトリドールホールディングスは、創業から破竹の勢いで全国展開を進め、2011年7月に沖縄県へ初出店(宜野湾店)を果たした時点で47都道府県すべてへの進出を達成しています。それ以降、一時的な移転やリニューアルによる休業期間を除き、特定県から完全に姿を消す「未出店地域」となったケースはありません。
全国800店舗以上を展開する巨大チェーンであるにもかかわらず、なぜ「ない県がある」と疑われるのか。その背景には、後述する地域ごとの極端な店舗数格差や、地元住民に親しまれていた店舗の突然の閉店、そして「本場・四国での特殊な立ち位置」が深く関係しています。
本場・香川県と丸亀市の衝撃的な事実|なぜ「丸亀市に丸亀製麺がない」のか
「丸亀製麺がない」という言説の最大の震源地となっているのが、讃岐うどんの本場である香川県、とりわけ店名の由来となった香川県丸亀市にまつわる話題です。
「香川県には丸亀製麺が1軒もない」という都市伝説がしばしば囁かれますが、これは明確な誤りです。香川県内には「高松レインボー通り店」や「丸亀製麺栗林公園店」などが元気に営業を続けています。讃岐うどんの激戦区であり、個人店が1杯200円〜300円台で驚異的なクオリティを提供する香川県においても、夜遅くまで営業している点や広い駐車場、ファミリー向けの使い勝手の良さから一定の需要を掴んでいます。
しかし、信じがたい逆転現象が一つだけ存在します。それは、看板に掲げられている「丸亀市」の市域内には、現在丸亀製麺が1店舗も存在しないという厳然たる事実です。
過去の歴史を振り返ると、丸亀製麺はかつて丸亀市内に出店した実績があります。2008年、丸亀市田村町に「丸亀店」をオープンさせ、いわば“名実ともに”現地への進出を果たしました。ところが、地元の名店がひしめく超激戦地において苦戦を強いられ、数年足らずで撤退を余儀なくされた経緯があります。この「丸亀市からの撤退」という印象的な出来事がネット上で伝言ゲームのように広がり、「香川県から丸亀製麺が消えた」「丸亀製麺のない県がある」という誤った情報へと変貌していったのです。
丸亀製麺「発祥の地」は香川ではない?トリドール加古川1号店の原点
丸亀市との関係を紐解く上で欠かせないのが、丸亀製麺のルーツです。多くの消費者が「香川県丸亀市の老舗うどん屋が全国展開したチェーン」と信じ込んでいますが、同ブランドの発祥の地は兵庫県加古川市です。
運営母体であるトリドールホールディングスの創業者・粟田貴也社長は、もともと加古川市で焼き鳥居酒屋を営んでいました。粟田氏の実父が香川県坂出市の出身であり、幼少期から讃岐うどん文化に親しみを持っていたことがブランド創設の原点となっています。現地の製麺所で目にした「打ち立て、茹でたての麺を目の前で提供する圧倒的な臨場感と素朴な美味さ」に感銘を受け、2000年11月、加古川市内に1号店となる「丸亀製麺加古川店」を創業しました。
店名の「丸亀」は、讃岐うどんの聖地に対する敬意と憧れを込めて名付けられたものであり、丸亀市で創業したわけではありません。この創業ストーリーは飲食業界では広く知られていますが、一般の消費者にとっては「加古川発祥なのに丸亀を名乗っている」「本場の丸亀市には店舗がない」という二重の驚きとなり、ネット上で定期的にバズを生むトピックとなっています。
丸亀製麺の店舗数ランキング|なぜ「ない」と感じてしまう地域があるのか
全国制覇を維持している丸亀製麺ですが、全都道府県の出店数一覧を精査すると、都道府県ごとに極めて大きな格差が存在することが分かります。この偏りこそが、「近所に丸亀製麺がまったくない県がある」と錯覚させる主要因です。
首都圏や大都市圏、車社会の主要幹線道路沿いには過密なほど出店している一方、地方都市では県内にわずか数店舗しか存在しない地域が少なくありません。
| 区分 | 主な都道府県 | 出店の特徴 |
|---|---|---|
| 店舗数上位エリア | 愛知県(約50店舗)、東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府、兵庫県 | ベッドタウンの主要街道沿いや大型商業施設内にドミナント出店。生活圏内に複数存在。 |
| 店舗数中位エリア | 福岡県、千葉県、北海道、静岡県、広島県など | 各都市の幹線道路や中心商業エリアを網羅。車で30分圏内にアクセス可能。 |
| 店舗数下位エリア | 鳥取県(2〜3店舗)、島根県、高知県、福井県、山形県など | 県庁所在地や最大の商業ハブに限定出店。郡部や市街地から離れると完全な空白地帯。 |
例えば、鳥取県や島根県、高知県などの地方都市では、県全体で2〜3店舗前後にとどまっています。県内に店舗自体は存在するものの、県庁所在地から離れた自治体に住む住民にとっては「車で1時間半以上走らないと食べられない」状態であり、実質的に「うちの生活圏には丸亀製麺がない」と認識されてしまうわけです。
相次ぐ閉店・撤退の理由は?トリドールが仕掛ける最新出店戦略と店舗リニューアル
「近所の丸亀製麺が閉店してしまった。県から撤退する前兆か?」と不安視する声も散見されます。しかし、近年の店舗閉店はブランドの衰退ではなく、トリドールホールディングスによる高度なスクラップ&ビルド(統廃合)戦略によるものです。
主な閉店・リニューアルの要因には以下の理由が挙げられます。
第一に、ロードサイド立地の再選定と敷地拡張です。丸亀製麺は近年、テイクアウト需要の定着やドライブスルー併設型店舗の導入、さらにはファミリー層がゆったり滞在できる大型駐車場を備えた新フォーマットへの移行を推進しています。敷地が狭く拡張が困難な初期のロードサイド店舗は、契約満了のタイミングで近隣のより広い敷地へと移転(リプレイス)されるケースが目立ちます。
第二に、都市部・商業施設内における採算性のシビアな見直しです。駅前ビルやフードコート内の小型店において、賃料高騰や客足の動向を冷徹に見極め、投資対効果の低い店舗を整理する一方で、好調な大型ショッピングモールへの新規出店を加速させています。
第三に、「全店に麺職人を配置する」という品質原点回帰です。厳格な実技試験をパスした麺職人を全店に常駐させる体制を整えたことで、職人のパフォーマンスを最大限に引き出せる厨房設計や客席空間への全面改装が全国で進行しています。一時的な閉店が「撤退」と早合点されるケースもありますが、その多くは次世代型店舗への進化を見据えた前向きな再配置です。
【丸亀製麺のない県】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:香川県民は丸亀製麺を敵視していて、絶対に行かないというのは本当ですか?
A1:完全な誤解です。讃岐うどんに対する舌が肥えている香川県民ですが、丸亀製麺の「通し営業で夜遅くまで開いている」「天ぷらの種類が豊富」「子連れでも入りやすい広い座敷がある」といったチェーンならではの利便性は高く評価されています。昼は地元の個人店、夜や家族連れでは丸亀製麺といった使い分けが自然に行われています。
Q2:丸亀市に丸亀製麺が再出店する可能性はありますか?
A2:可能性はゼロではありませんが、ハードルは高いと見られています。丸亀市内は名だたる老舗・人気讃岐うどん店が密集する最激戦区であり、ロードサイドの優良立地も限られています。ブランドの象徴的な意味合いでの再進出を期待する声はあるものの、トリドールは採算性を重視した堅実な出店戦略をとるため、慎重な姿勢が続いています。
Q3:日本で最も丸亀製麺の店舗数が少ない都道府県はどこですか?
A3:時期によって微増減がありますが、例年、鳥取県・島根県・高知県などが最少クラス(県内2〜3店舗程度)となっています。これらの県では店舗が県庁所在地などの特定都市に集中しているため、県内の他の地域からは「見当たらない」と感じられやすい構造にあります。
Q4:海外にも丸亀製麺はあるのですか?
A4:アメリカ(ハワイ・本土)、イギリス、台湾、フィリピン、インドネシアなど、世界各地で精力的に展開しています。特に「MARUGAME UDON」として出店しているハワイのワイキキ店は、全米屈指の売上を誇るモンスター店舗として知られています。
まとめ:丸亀製麺が描く全国展開の未来とローカルのリアル
「丸亀製麺のない県」という根強い噂の真相を追うと、「47都道府県すべてに出店しているが、名前に冠された丸亀市にはない」というユニークな事実と、地域ごとの店舗数格差が生み出す体感的なギャップが浮き彫りになりました。
加古川の一軒のうどん屋から始まった挑戦は、四国の讃岐うどん文化への憧憬を原動力に、日本全国、そして海を越えて世界へと広がっています。身近にあるのが当たり前に思える丸亀製麺ですが、その出店マップには緻密な立地戦略と、讃岐うどんの本場に対するリスペクトが複雑に交錯しています。
地方都市における新フォーマット店舗の誕生やスクラップ&ビルドの動きなど、同社の国内戦略は次のフェーズに入っています。もし旅先や出張先で丸亀製麺の看板を見かけたら、その土地における店舗展開の歴史や背景に思いを馳せてみるのも一興です。 (出典: 丸亀 製 麺 ない 県(Yahoo!ニュース))